九州木型工業会 素形材産業

藤尾定己(藤尾木型製作所)さんにおかれましては、70年以上の間、木型の製作に従事し、豊富な知識と技能を有されており、後進指導育成の観点からも、本人直属の木型工を育成にあたることで、技能の伝承を果たし、同業組合の若手組合員から要請にも応えて指導に励んでいます。
九州で現役最年長の木型技能士として活躍中、86歳の現在でも、毎日8時間の就労を続けておられ、全組合員の目標として尊敬を集めています。
また、九州木型工業会会員としても最年長、長年培ってきた匠の技は“会の宝”であり、米寿を迎えるまで現役として活躍するその姿は、賞賛に十分値します。
九州木型工業会として、益々のご活躍を期待しております。

1)家電製品のモックアップ(外観デザインの試作)製作
ハンディークリーナー等の外殻部分(量産品ではプラスチック成形品)を木材を加工して厚さ2ミリの試作品を製作する。

2)渦巻きポンプ木型の製作
ポンプの中でも最も一般的な渦巻きポンプのケーシングは円形断面が渦巻き状に変化する複雑な形状をしており、それを滑らかにつなぐには、高度の熟練を要する。本人は、数十年にわたりポンプケーシングの木型製作に従事しており優れた技能を有する。

1)家電製品のモックアップ製作に関しては、NCのない時代の日本の家電産業のものづくりを支えた貴重で高度な技能である。

2)ポンプケーシングの製作に関しては、熟練の技を駆使して木型を製作することにより、高価なNC機械を導入することなく安価に木型を製作することができる。つまり製作のコストダウンに貢献している。